私の宇宙からこんにちは、natanです。
今日は、自我にとって重要な、「肉体」との関係性についてお話したいと思います。
◎前回までのお話はこちら↓
自我の付与には肉体が必要
私たち人類は今後、「真の自我性」を獲得していくそうです。
地球紀において、人間に「自我性」が付与されたわけですが、この「自我」を「真の自我性」へ育てるための基礎として必要だったもの、それは…、
肉体
です。
私たちはもともと霊的な存在ですが、よくよく考えると、本来は形のない霊的な姿のままで存在しつづけても良いはずです。
ですが、わざわざこの「肉体」をまとっている理由は、「真の自我形成のため」ということのようです。
「真の自我形成」はこれからの人類の目標ですが、そこに至るまでにはまず、肉体を通して自我意識を形成することが必須の条件だったそうです。
低次自我と高次自我のおさらい
今、私たちが所持している自我は、「低次の自我」です。
低次の自我は「私は私である」という「自己同一性」という意識と、「私と他者は別の存在である」という、「自己独立性」の二種類の意識を持っています。
そして、これから人類が目指す「真の自我性(高次の自我)」は、上記の「自己同一性」が「私と他者は一つである」という、「自他同一性」へと変化していきます。
自我形成に肉体が必要な理由
上記を踏まえ、自我と肉体の関係に話を戻すと、まず一番最初に低次自我の成長において、「自己同一性」を形成するために、人間は肉体を必要としました。
肉体を持つことによって、
私は他者とは区別された、独立した存在だ。
という意識を持つことができるからです。
そして、私たちが肉体を持つことによって、自己と他者の身体をお互いに眺めて、それぞれが互いに独立した存在であるということを認識します。
それと同時に、自分の肉体から生じる空腹感や快・不快などの生理感覚、自己の感情を通して、
この感情は私だけのものだ。
私の感情が他の人々の感情と同じであるはずがない。
私は他から独立した存在である。
このように、肉体を通して低次自我の要素である「自己同一性⇔自己独立性」が獲得されます。
自己と世界が切り離される
また、この「自己同一性⇔自己独立性」は、人間の認識能力にも深く関係しています。
人間は、目や耳などの自己の知覚期間を通じて、周囲の世界を知覚し理解していきます。
このような認識能力を持つにはまず、
自己と世界が切り離されることが必要
です。
人間が世界を認識するには、まず周囲の世界を「対象化」することが必要です。
そしてこの「対象意識」は、人間の「自己独立性」によって形成されます。
「自己独立性」は、人間に独立意識や個の尊厳をもたらしますが、それとともに、人間に対象意識をもたらすことも目的としています。
「真の自我性」の形成は、まずはここからスタートします。
必要悪としての自我の下降
利己主義の誕生
「真の自我性」を形成するために必要な、「自己同一性⇔自己独立性」。
そのために、人間は一度、物質的身体に深く沈むことを必要としました。
これもすべて真の宇宙の計画ではありますが、このことが原因で、人類の歴史も深く暗い影を落としていくことになります。
それと同時に、肉体と結びついた自我意識は、人間に他者との分離意識、独立性を与えるため、逆の効果として他者との同一性を生みだすことができなくなります。
このように、肉体を基礎とした自我意識は、容易に物質的欲望に走り、同時に「私は私」という頑なな
利己主義=エゴイズム
を招くことになります。
唯物論的思考の誕生
さらに、肉体に縛りつけられた自我は、その関心を物質世界だけに向けて、「世界は物質世界がすべてである」と考えるようになります。
そうして人間は、自らの精神力を物質世界の探求に注ぎ込むことになります。
よって、肉体を基礎とした自我意識は
エゴイズム/物質的・経済的欲望/唯物論/物質的科学
に彩られた文明を築いていきます。
まさに現代文明は、肉体的自我によって築かれました。
このような文明形成のピークに達しているのが、現代という時代です。
ピークというよりも、現代は、
物質的・経済的世界のもっとも降下した時代である
という言い方の方が適切かもしれません。
今後の展開
今後は、人類が「真の自我性」を育てていく時代に入ります。
「真の自我性」は誰にでも育てることはできますが、一つ条件があります。
それは…
一人ひとりが意識的に真の自我性を形成する
ということ。
この「意識的に」というところが大きなポイントです!
シュタイナーいわく、霊性回帰は20世紀からじょじょに、現実的にはじまったそうです。
しかし、私たちが生きるこのポスト・アトランティス期において、じつはすでに15世紀から、この「意識的に」真の自我形成に取り組む時代ははじまっていたそうです。
そんなに前から!?
なんてビックリしますが、15世紀以降は人間が科学というものを生みだし、本格的に物質世界へ沈み込みはじめた時代でもあります。
それは、言い換えると、
「真の自我性」形成に向けて人間が本格的に動きだした
ということでもあります。
なので、シュタイナーは15世紀(A.D.1413)以降の時代を「”意識的に”真の自我形成に向けて取り組む時代」として
意識魂の時代
と呼んでいます。
まとめ
今日は、自我と肉体の関係についてのお話でした。
次回以降、上記で触れた意識魂のお話をしていきますが、ちょっとその前に…。
これまで宇宙紀の流れや、それに伴って人間に付与されてきた各機能(物質体・エーテル体・アストラル体・自我)について、長々とお話をしてきてしまったので、次回はそれらを一度わかりやすい形でまとめてみたいと思います。
次回もお楽しみに♪
コメント