私の宇宙からこんにちは、natanです。
今日からシュタイナー思想を通して、真の霊性について知識を深めていきたいと思います
今日のお話のポイント
今日お話するポイントは三つです。
今人類が抱えている問題を解決するためには、「人間の魂への理解」「霊性への理解」がとてもとても重要です。
今日のお話は書籍「シュタイナー思想とヌーソロジー」より、シュタイナー研究者の福田秀樹さんのお話を参考にして進めていきたいと思います。
シュタイナー研究者の福田さんは経産省(元通産省)の官僚をされていた方で、シュタイナー思想をベースに、今世界が抱えている問題の解決策を高次元の視点から教えてくださいます。
シュタイナー研究者福田秀樹さん
福田さんは官僚時代に、政府の政策や企業の経営戦略の立案の仕事に携わっていたそうです。
そのなかで、たしかに現代社会において経済政策や経営戦略などは必要ではあるけれども、それらは人間社会が抱えている問題を、本質的な意味で解決するものではない、と考えるようになったそうです。
なぜなら、現在政府や企業で行われている問題解決の方法は、どれも「現在の人間の魂のあり方」を前提にしているからだとおっしゃいます。
本来、問題の解決とは、その問題の本当の原因まで遡らなくてはいけません。
もし現代社会のさまざまな問題が、「現在の人間の魂のあり方」そのものに原因があるとすると、「魂のあり方」に踏み込まなければ本当の問題解決に至ることはできません。
現代文明の問題点
福田さんは地球温暖化を例にあげ、現代文明の最大の問題についてこうお話されています。
地球温暖化問題は、人間の文明活動によって排出される、二酸化炭素やメタンガスなどが地球を温暖化させ、その結果地球環境を破壊してしまうというものです。
アメリカや中国という、二大温暖化ガス排出国がやっと重い腰をあげつつありますが、発展途上国においては、経済の発展に伴い、これからますます二酸化炭素が排出されていくでしょう。
この地球温暖化問題は、本当に国が立ち上がれば解決する問題なのか?
福田さんはこの問題の原因を探っていくと、最後には下記の二点に突き当たるとおっしゃいます。
文明活動が人間の魂の活動の現れだとすると、環境問題、地球温暖化問題というのは実際は、
人間の魂のあり方の問題である
とのことになります。
そんなことは、わかっている!
と口では言っても、人間は本当にそれを理解しているのか?
それを理解しているのなら、
なぜ人間は、ひたすら経済的拡大を求めるのか?
なぜ温暖化の問題の本当の原因が、人間の欲望やエゴイズムにあることを知っているのに、なぜ人間はそれを制御できないのか?
これらの問題が解決できない最大の理由は、
現代の世界観には、人間の欲望やエゴイズムの原因など、人間の魂のあり方をその根底まで洞察し、それを正しく基礎づける思想が存在していないから。
これが現代文明の最大の問題だそうです。
私の見解
このお話を読んで私が思ったこと、それはすこし話の角度は変わりますが、
人間という存在は、自分自身について何も知らない。
ということ。
自分の内側(心)を洞察することを知らないから、自分自身さえもどういう人間なのか理解していない。
どこから自分の欲望やエゴが湧きだしているのか、それを見る心の目を持っていない。
外側主体で動いているから、自分の内側さえも他者に投影させて、他者を批判している。
つねに心は外の世界同様、戦争状態にある。
いいや、心が戦争状態にあるからこそ外界も同じ状態であり、その人間が文明を作っているのだから、平和が訪れるはずがない。
自分という心の世界を平和にできない人間が、外界の平和を達成できるわけがない。
そう思いました。
福田さんがおっしゃることは、シュタイナー思想を通した宇宙的な視点でのお話ですが、私はそれを心理面として捉えました。
心の問題に関しても、そういう教えはまだまだ一般的に広がっていないのが現状です。
そういう教えがないんですよね、この社会には。
すべて魂・心が原点なんです。
ここをしっかり理解しないと、問題解決には至らないんです。
現代社会の世界観
現代文明は魂の理解に対しては欠陥商品
さらに福田さんは続けます。
現代文明の最大の問題は、歴史を遡れば15世紀以降、西洋で発展してきた現代文明そのものの性格にまでさかのぼるそうです。
14世紀ころからイタリアではじまったルネサンスの流れは、ヨーロッパ近代文明のあけぼのを告げました。
15世紀以降のヨーロッパ各地で、デカルトやニュートン、ケプラーなどの傑出した人物が現れ、数学や物理学、天文学などを通じて近代科学が発達してきました。
科学的世界観は経済主義や民主主義と結びつき、それが現在のグローバルな経済文明の基礎となっています。
しかし、この現代の科学技術文明、経済文明には人間の魂を正しく洞察する叡智が根本的に欠落している。
現代文明は、人間の魂の理解ということに関しては欠陥商品である!
そう厳しく福田さんはおっしゃいます。
「死ねば終わり」の考え方
そうおっしゃる理由は、科学技術文明の基礎は数学と物理学。
近代以降の科学技術文明は数学、物理学を世界認識の基礎として物質世界を知性によって追求することで、宇宙や人間の成り立ちを解明しようとしてきました。
現代科学の前提に立てば、人間とは物質で成り立っている存在であり、したがって人間の魂の働き、人間の意識活動は単なる物質的な脳内の化学反応として捉えられています。
しかし、このような世界観のもとでは、人生や社会の進むべき方向性を、正しく基礎づけることはできません。
なぜなら、人間の魂が無機的な脳内の科学現象に過ぎないとしたら、結局人間の人格形成の努力、社会建設の努力は「死ねば終わり」のむなしい努力にしかならないからです。
人間存在の魂の働きを、単なる物質現象に還元する現代社会の世界観は、結果的にきわめて空疎な世界観や人生観を生みだします。
現代社会の世界観とは、
「死ねば終わり」、その考えが根底にあるからこそ、「今が良ければすべて良し」という考えに陥ってしまうということですね。
こういう世界観だと、輪廻転生という考えすらないし、魂の成長という概念すら毛頭ないだろうなぁ。
死ねば全部消えてなくなる。
だから私利私欲に走ってしまうし、結果的に欲求やエゴという部分に目を向けることがないというわけですね。
また、本来人間の知性は、世界を正しく導くための道具になるべきものなのに、現代はその知性を悪用して、卑劣な振り込め詐欺に使ったり、大量破壊兵器を生みだしたりすることに使われています。
これもすべて「死ねば終わり」という価値観が、さらに人間の知性を悪しきものに変えてしまう、そういった事態にまで発展していると福田さんはおっしゃいます。
まとめ
今、私たちの時代は「陰極まれば~」の中の最上級の極み状態に到達しています。
だからこそ今、霊性回帰が必要なんです!
今こそ霊性に対する考え方を取り入れていかないと、文明だけでなく、人間存在の本当の目的すら果たせなくなってしまいます。
こういった世界観が蔓延する中で、ルドルフ・シュタイナーはこの問題に真正面から取り組んだ人だったんです。
今日はお話が長くなってしまったので、次回シュタイナーの霊性に対する教えの大枠をご紹介したいと思います。
次回もお楽しみに♪
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