私の宇宙からこんにちは、natanです。
今日は、ψ5~6における「自己と他者」の関係を、ラカンのシェーマLを用いて解説していきたいと思います。
▼ 参考文献 ▼
ジャック・ラカンについて
フランスの哲学者であり、精神科医、精神分析家であるジャック・ラカン。
ジャック=マリー=エミール・ラカン(Jacques-Marie-Émile Lacan、1901年4月13日 – 1981年9月9日)は、フランスの哲学者、精神科医、精神分析家。
初期には、フランスの構造主義、ポスト構造主義思想に影響力を持った精神分析家として知られていた。
中期では、フロイトの精神分析学を構造主義的に発展させたパリ・フロイト派(フランス語版)のリーダー役を荷った。
後期では、フロイトの大義派(仏:École de la Cause freudienne)を立ち上げた。
Wikipediaより
彼によると、
自己と他者は、互いに鏡像を通して自我を形成する。
と言います。
この自己と他者の自我が形成される過程を、「シェーマL」という図で見ていきたいと思います。
ラカンのシェーマL
シェーマLの概要
ラカンが自己と他者の相関関係を表した、「シェーマL」という図があります。
この図の各説明はこちら↓
ラカンは、幼児が身体性を獲得する心理学的プロセスである、「鏡像段階」という概念を通じて、自我の成立にもこの「鏡像性」が関与していると考えました。
鏡像段階とは?
「鏡像段階」とは、幼児が運動もままならない自己の身体性を、自分自身の中で統合することができないときに、鏡の中に映しだされた自分の身体を確認することによって、自分の身体イメージを作り上げるプロセスのことをいいます。
つまりこれは、幼児が外部の鏡像の中に、自分の身体のイメージを投影していることを意味します。
これはψ3~4の回でお話した、主体から客体へ移るプロセスのことですね。
自我形成のプロセス①外部イメージの取り込み
自我の確立も上記と同じ、主体は自分のイメージを、自己の内部のみで確立させることはできません。
そこでまず自己は、他者の中に映しだされた自己のイメージを、外部から取り入れます。
自我形成のプロセス②想像的自我の確立
そして、他者の中に映しだされた自己のイメージによって、自己を確立させます。
しかし、このイメージは真の主体であるSではなく、あくまでも他者のフィルターを通して得られた
鏡像としての自己a
です。
普通、私たちは「自我」といえば、こう考えると思います。
主体が大文字の「S」ならば、自我は小文字の「s」。
しかし、自我とは他者存在によって確立させられているので、自我とは小文字の「a」になります。
これが以前お話した、主体にとって自我とは「他者の他者」という言葉の意味です。
ψ3~4の領域では「私」を獲得しましたが、ψ5~6の領域では他者存在を通して、より強固になった肉体人間としての自我が形成されるというわけです。
どの次元階層においても、自己は他者がいないと自分を確立できないということなんだと思います。
だから自我意識はすべて「鏡の意識」なんだと思われます。
自我形成のプロセス③主体化する他者
さらに、想像的自我にとっては、自己の主体は忘れ去られ、
他者が主体化している
ということでもあります。
なんだかこの話、すご~くよく分かる気がします。
自我はいつも、他者の目を気にして生きていますよね。
なぜなら、自我の主体は「他者」だから!
あぁ、しっくりくる…。
それでは次回はこのお話をもとに、ψ5~6の「自己と他者」についてまとめていきたいと思います。
次回もお楽しみに♪
▼ 参考文献 ▼
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